破滅へ向かう物語が好きなのかもしれない。
破滅というといかにも耽美な感じがあるけれど、単純に終わりに向かっていく感じが好きなのかもしれない。
いや、全ての物語は終わりへ向かうのだけれど、その中でメタ的に「終わり」へ進んでいく雰囲気が好きで、特に登場人物がそれを自覚しながらも選択していくところにグッときてしまう。
具体的にはその世界の終わりだったり、誰かの死だったりするのだが、避けられない悲劇を前に、それでもなお自分が選んだ道を進んでいく様に、潔さとかかっこよさを見出してしまう。
進行形で取り返しのつかないことをしている感がずっと続いていく(でも止められない)という物語の盛り上がりがたまらなく好きなのだ…。
「とりかえしのつかないことがしたいね」と毛糸を玉に巻きつつ笑う
穂村弘『シンジケート』